作成日: 2023-1-19 更新日: 2023-8-24
カテゴリ- : ⅲ (美容室)経営支援
ポータル・クーポンサイトのリスク:ホットペッパービューティーを含むクーポンサイト利用のリスク

ポータル・クーポンサイトのリスク:ホットペッパービューティーを含むクーポンサイト利用のリスク

クーポンサイトは一見魅力的ですが、ビジネスにおいては潜在的なリスクが存在します。特にホットペッパービューティーなどのポータルサイトには、次の3つの問題があります。

1. 低リピート率の顧客が多い

2. サロンのブランディングが困難になる

3. 顧客層のコントロールが難しい

1. 低リピート率の顧客が多い

クーポンサイトの利用者は、新規来店時にクーポンを活用することでコストパフォーマンスが最も高くなります。その結果、顧客は新規来店を繰り返し、リピート率が低くなります。サロン経営においてはリピート客が重要であるため、クーポンサイトの利用は適切でない場合があります。

事例:ホットペッパービューティー

たとえば、ホットペッパービューティーでは、ホットペッパービューティー経由の予約には2%の手数料をお店側負担し、お客さまにポイントとして付与されます。

ホットペッパービューティー側はどこで儲けているかといえば、広告です。

サロン(特に業務委託型の店舗)がホットペッパービューティーに多額の予算をかけて広告出稿しています。

このように、クーポンサイトの特性上、新規来店させる(お客さまをいろんな店舗に新規客として来店していただく)ことで広告出稿に正当性を与えています

言わずもがな、ヘアサロン経営は新規に来店して頂いたら、リピートして頂き、繰り返し利用して頂かなければ、マーケティングコストを回収できず、経営になりません。

クーポンサイトでの予約順序にもそれが表れています。 クーポンサイトでは、先に担当者を選択できません。 では何を先に選択させるかといえば、「メニュー」です。 指名なしのお客様が新規来店では多いことが前提にあるからです。 美容室・ヘアサロンの顧客は7~8割がリピートのお客様です。 したがって、リピートのお客様は、まず担当者を選択してから、メニューを選択するのが自然な流れです。 こういった細かいユーザビリティを見ても、クーポンサイトは新規来店客が回遊しやすいデザインしていることがわかります。

2. サロンのブランディングが困難になる

クーポンサイトに掲載されることで、自社のサービス価格が他店と比較されることになります。これにより、価格競争に巻き込まれることがあり、自社のブランディングが難しくなります。

不必要な値引きは経営に必要ありません。仮に、あなたのサロンがクーポンを発行してなくても、 否応なしにクーポンサイトに掲載された他店と「価格」を比べられてしまいます。

これでは、あなたのサービスに満足し、いくら価格を気にしないお客さまだったとしても、毎回の予約時に無意識的に気になってしまうでしょう。

 

3. 顧客層のコントロールが難しい

クーポンサイトを利用することで、ターゲットとする顧客層が来店しなくなることがあります。経営の成功は、適切な顧客層を獲得することが重要です。したがって、クーポンサイトの利用は避けるべきです。

事例:ハイブランドの洋服

ハイブランドの洋服をイオンなどのスーパーの洋服コーナーに並べても売れません。 あなたがどんなに頑張ってもです。

それは場所が悪いからです。 その場所にはターゲットとする「顧客層」が来店していないからです。

経営はつまるところ「顧客層」がすべてです。

言い換えれば、ほとんどの問題は「顧客層」が解決してくれます。

経営者は、この自社の「顧客層」を戦略的に作り上げなくてはなりません。

美容師1人がセット面1席で抱えられる顧客の人数は概ね300人でしょう。この300という数字をいかにターゲットしたお客様に高品質なサービスを提供し、満足して頂けるかがすべてです。

以下に、高品質な商品・サービスでありながら、不適切な販売・提供場所で提供したためにうまくいかない事例を10個上げました。どれもうまくいくはずがないとわかりますが、どの美容室もこれと同じことをなんとなくやってしまっています。

  1. 高級レストランの料理をファーストフード店のメニューに加えても、その価値が十分に伝わらない。
  1. フェラーリを一般的な中古車市場で販売しても、適切なターゲット層にアピールできない。
  1. 一流のオペラ歌手が居酒屋でライブパフォーマンスをしても、真の腕前が活かされない。
  1. 高級ブランドのバッグを路上の露店で売っても、その価値を理解してもらえない。
  1. オーガニック野菜を量販店の野菜コーナーで販売しても、その特徴が十分に伝わらない。
  1. プロのバレエダンサーが運動会の余興で踊っても、その才能が十分に発揮されない。
  1. 高級ワインをカジュアルなバーで提供しても、その魅力が十分に伝わらない。
  1. 上質な寿司を出前の弁当として提供しても、その価値が十分に評価されない。
  1. 豪華クルーズ船を観光クルーズとして運行しても、その本来の魅力が十分に伝わらない。
  1. 最新の高性能スマートフォンを一般的な家電量販店の棚に並べて販売しても、その革新性が十分に理解されない。
 

サービスの質を向上させ、ブランディングを強化したい場合は、クーポンサイトの利用を見直すことをおすすめします。

ぜひ、ご相談ください。

 
 

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