こんにちは、小松啓です(プロフィールはこちらからどうぞ)。
Twitterフォロー大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Twitter(@EUREKAPU_com)
Instagram(eurekapu55eurekapu55)
最近、本を出版しました。
「【会計・簿記入門編】読まないで会計思考を身に付ける方法: Accounting Pictures Book」
豊富すぎるくらいの図で解説した、とってもよくできた会計・簿記の入門書です。
よろしくお願いいたします。
※本記事はパソコンなどの横長画面で閲覧することを前提に作成しています。
1. 取引内容と財務三表のつながり
本記事では、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)とキャッシュ・フロー計算書(C/S)の「財務三表」の基礎をその3つの表のつながりをエクセルで確認していきます。
今回は、1つ目の株式会社の設立において、出資金100の払い込みがあり、それを全額資本金とした場合の調整方法を確認します。

結論から言えば、財務三表は以下のようになります。
- BS(資金の運用先と資金の調達元の視点)
- PL(費用と収益の視点)
- CS(営業、投資、財務CFの視点)
・会社にはいま「現金及び預金」が100あり、それは株式を発行したことで増えたことがBSの「資本金」勘定の増加にあらわれます。
・費用と収益に変化はありません。
・会社の設立は会社と株主との間の取引であり、会社の営業活動とは関係ない取引です。
・営業CF変化なし
・投資CF変化なし
・財務CFの「株式の発行による収入」が増えます
1-1. 取引を仕訳にする
会社の設立時には、会社が株式を発行します。それを仕訳にすると次のようになります。
なお、借方と貸方勘定科目の右横に「CS科目用-直接法」とあるのは、エクセルで集計するときにも使用した抽出列であり、仕訳ではありません。この列を表示させているのは、キャッシュフロー計算書は現金・預金の増減明細にすぎないことを強調するためです。
1-2. 仕訳から貸借対照表と損益計算書をつくる
次にこの仕訳から、貸借対照表と損益計算書をつくりましょう。
この表では、左に期首残高、右に期末残高を置き、その間に期中の変動を取引の内容ごとに示しています。
簡便的にエクセルでは「期末」と表記していますが、今期の取引はあと22つあり、この1つ目の取引は期中取引なのですが、仮にこの取引だけしかなかったらというイメージで見てください。
PLは勘定式と報告式の両方を用意しました。
1-3. キャッシュフロー計算書をつくる
貸借対照表と損益計算書ができれば、次にキャッシュフロー計算書を作成しましょう。
一般に、実務においてキャッシュフロー計算書をつくる場合、「キャッシュフロー精算表」から作ることになります。
営業活動のキャッシュフローは、貸借対照表の期首と期末の増減から作る「間接法」です。
2. 財務三表のまとめ
最後に、財務三表のつながりをまとめて確認しましょう。
今回は営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローは変動ありません。
財務活動によるキャッシュフローが変動しました。
会社の株式を発行することで調達したとき、「株式の発行による収入」などの適当な名称を使用し、「財務活動によるキャッシュフロー」の区分に表示します。
- BS(資金の運用先と資金の調達元の視点)
- PL(費用と収益の視点)
- CS(営業、投資、財務CFの視点)
・会社にはいま「現金及び預金」が100あり、それは株式を発行したことで増えたことがBSの「資本金」勘定の増加にあらわれます。
・費用と収益に変化はありません。
・会社の設立は会社と株主との間の取引であり、会社の営業活動とは関係ない取引です。
・営業CF変化なし
・投資CF変化なし
・財務CFの「株式の発行による収入」が増えます
3.実務的な補足
社債や新株を発行するときにっかった社債発行費や株式交付費が金額的に重要性が高い場合、キャッシュフロー計算書上は、実質手取り額で収入金額を表示します。
一方、その金額に重要性が認められなければ、総額で表示することもできます。
この重要性が高いかどうかは、会社の売上高の規模や利益の大きさ、過去の処理との継続性(過去にどうやって処理したか)などを勘案して、会社自身で決める必要があります。
さいごに
最近、本を出版しました。
豊富すぎるくらいの図で解説した、とってもよくできた会計・簿記の入門書です。
ぜひ、ぜひ、ぜひ! よろしくお願いいたします。
図解財務3表(02/23):設立費用の支払い
図解財務3表(03/23):備品(有形固定資産)購入
図解財務3表(04/23):消耗品を購入
図解財務3表(05/23):チラシ代の支払い
図解財務3表(06/23):銀行から資金調達(運転資金)
図解財務3表(07/23):商品を購入(現預金支払)
図解財務3表(08/23):商品を販売(小切手受領)
図解財務3表(09/23):商品を購入(掛け仕入)
図解財務3表(10/23):商品を販売(掛け販売)
図解財務3表(11/23):買掛金の支払い
図解財務3表(12/23):売掛金の回収
図解財務3表(14/23):銀行から資金調達(設備資金)
図解財務3表(15/23):店舗を購入
図解財務3表(16/23):取引先への貸付
図解財務3表(17/23):銀行へ短期借入金を返済
図解財務3表(18/23):貸付金の利息の受取
図解財務3表(19/23):役員報酬の支払
図解財務3表(20/23):預り金(役員報酬分)の支払
図解財務3表(21/23):減価償却費と繰延資産償却の計上(決算整理)
図解財務3表(22/23):法人税を計上(決算整理)
図解財務3表(23/23):法人税を支払い(翌期)