小さい頃から疑問だった、スーパーで見かけるあの「価格」。
購入する価格の方ではなく、なんでこんなに割引されているのか?の方が気になって仕方がなかったなぁ。今日はその「価格」についてまとめてみます。
1.価格の種類には大きく4つある
- 希望小売価格(メーカー希望小売価格とも呼ばれる)
- オープン価格
- 定価
- 実勢価格
4つの価格をざっくりとまとめれば、メーカー希望小売価格はメーカーが「これくらいで売ってね」という価格、オープン価格はメーカーが「販売店で自由に売ってね」という価格、定価はメーカーが「これにしてね」という価格、実勢価格は消費者が目にする価格です。
1-1.メーカー希望小売価格とは「これくらいで売ってね」という価格
まず、「希望小売価格」とは、
製品を製造するメーカーが設定した販売参考小売価格のことです。
これがいわゆる「メーカー希望小売価格」とスーパーなどの値札でたまに見かけるものですね。
1-2.オープン価格とは「販売店で自由に売ってね」という価格
次に、「オープン価格」とは、
メーカーが製品や商品に対して、希望小売価格を具体的に設定していない価格を指します。
これは家電量販店で見かけるようになったものですね。
1-3.定価とは「これにしてね」という価格
また、「定価」とは、
新聞や書籍などに用いられる価格であり、要するに、
出版社などのメーカーが小売業者に対して、書籍などの商品の小売価格の変更を一切、許容させない価格のことです。出版業界でのこの取り決めを「再販売価格維持制度」といいます。
1-4.実勢価格とは消費者が目にする価格
最後に、「実勢価格」とは、
実際に顧客が購入することになる価格のことを指します。
これはメーカー希望小売価格よりも何%割引となっているあの価格です。
1-5.そもそも「定価」ってなんのためにあるの
普通に考えれば、メーカーが小売業者に対して、その価格を自由に決めさせないのはとっても奇妙な気がしますよね。
これには「カラクリ」があります。メーカーは価格を変更させない代わりに、小売業者は売れ残った在庫をメーカーに返品することができます。これにより、制度を維持しています。小売業者は売れ残りを気にすることなく、「定価」を維持できますね。
書籍については他国でもこの制度を採用しているようですね。。
書籍においては、OECD加盟国の調査対象26カ国のうち実に18カ国がなんらかの形で定価(Fixed Book Price)制度を採用している。 引用「Wikipedia」
私も前職で出版社を事業DDしたことありますが、概ね、最終的な返品率は30%前後です。書籍は、限界利益率が30%から40%程度です。なので、重版がかからないと、全国の書店から在庫の返品があり、その本は大体よくて損益トントンです。
重版がかかってようやく利益がはじめます。重版時にはデザイン料などの変動費が追加でかからないため、利益率がよくなりますね。
ちなみに、著者には概ね10%程度が印税で発行部数に応じて支払われます。発行部数ですので、在庫があろうがなかろうが、著者の印税に関係ありません。重版がかからなければ、次の依頼はこなくなりますが…
2.まとめ
ということで、繰り返しになりますが、4つの価格をざっくりとまとめれば、メーカー希望小売価格はメーカーが「これくらいで売ってね」という価格、オープン価格はメーカーが「販売店で自由に売ってね」という価格、定価はメーカーが「これにしてね」という価格、実勢価格は消費者が目にする価格でした。