【図解】会計の基礎知識(財務諸表とは)をわかりやすく解説

こんにちは、小松啓です(プロフィールはこちらからどうぞ)。Twitterフォロー大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Twitter(@EUREKAPU_com
Instagram(eurekapu55eurekapu55

「Part 01 会計の基礎知識」の「1. 会計とは」についてはこちらをご覧ください。

【図解】会計の基礎知識(会計とは)をわかりやすく解説

2018.06.18

本記事は上記の会計とはのうち、財務諸表(特にB/S)について、その詳細を解説します。

Part 01 会計の基礎知識

2. 財務諸表とは(概要)~What is Financial Statements?

財務諸表には「貸借対照表(B/S)」、「損益計算書(P/L)」、「キャッシュフロー計算書(C/S)」などがあり、この3つを特に「財務3表」といいます。
財務三表を説明する図です

キャッシュフロー計算書の作成は上場会社に義務付けられていますが、上場していない会社に作成義務はありません。

上場していない企業ではキャッシュフロー計算書と似た、「資金繰り表」を作成します。

ちなみにですが、日商簿記3級では貸借対照表と損益計算書のみが出題されます。
キャッシュフロー計算書は日商簿記1級にならないと出題されません。

言い換えれば、ほとんどの簿記受験者は1級を受験することがないため、「キャッシュフロー計算書」に苦手意識を持ち続ける傾向があります。
簿記2級と3級と1級の受験者の図です

財務3表はそれぞれの表同士の数字がつながっています。
そのつながりを意識すれば、キャッシュフロー計算書も難しくありません。
財務三表のつながりを解説

貸借対照表と損益計算書は「当期純利益」を通してつながります。
つまり、損益計算書は貸借対照表の「利益剰余金」の増減明細表です。
損益計算書は貸借対照表の「利益剰余金」の増減明細表

貸借対照表とキャッシュフロー計算書は「現金・預金」を通じてつながります。
つまり、キャッシュフロー計算書は貸借対照表の「現金・預金」の増減明細表です。
キャッシュフロー計算書は貸借対照表の「現金・預金」の増減明細表

3表の関係性はよくダムに例えられます。
貸借対照表はある時点のダムに溜まった水を表し、「ストック」情報といわれます。
損益計算書とキャッシュフロー計算書はその期間にダムから流れた水の流れを表し、「フロー」情報といわれます。

たとえば、「元手資金600で株式会社を設立」したという取引だけの財務3表はこのようにつながります。

詳細は近日中に公開予定の「財務3表【解説編】」で解説します。ぜひ、そちらもご覧ください。

まず、基本的な3つの活動(財務・投資・営業)のうち、「お金をどうやって集めてきたのか」を表すのが貸借対照表の右側です。

貸借対照表の左側は、その集めたお金を使って、「何に投資したのか」を表します。

損益計算書は、「どんな儲けをあげる活動を行ったのか」を表します。

キャッシュフロー計算書は、現金の動きに着目します。営業・投資・財務の3つの活動によって、「現金がどう出入りしたのか」を明らかにします。

本書では、貸借対照表と損益計算書を中心に、それぞれの役割をご説明します。

2-1. 貸借対照表とは

ここから、貸借対照表の基本的な構造を丁寧に確認します。

貸借対照表は英語でBalance Sheetとよばれ、ビジネスの世界ではよく頭文字をとって「B/S(ビーエス)」とよばれます。

貸借対照表の右側は基本的な3つの活動のうち、「お金をどうやって集めたのか」を表していました。よく、「資金の調達源泉」と言い換えられます。

貸借対照表の左側は「集めたお金を何に投資したのか」を表していました。こちらはよく、「資金の運用形態」と言い換えられます。

会計では、企業が資金を調達する方法を大きく3つに分けます。
1つ目は、銀行などから「借りる」方法、
2つ目は、投資家から「投資してもらう」方法、
3つ目は、顧客から「稼ぐ」方法です。

借りたお金には当然、返済義務(これを「債務」という)があります。
この返済義務のことを「負債(他人資本)」、残りを「純資産(自己資本)」とよびます。

株主または銀行から調達したお金は、商売をするための商品や車両などいろんなモノに投資され、将来的にお金を稼ぐための資産に変わります。

つまり、貸借対照表とは会社がどれだけの土地や建物や商品などの資産を所有し、それらの資産を借金でまかなったのか、自己資金でまかなったのかを一覧にした表なのです。

このように、どれだけの資産をもち、その資産をどれだけの負債でまかなっているのかなどの財産の状況のことを財政状態といいます。
企業の財政状態は貸借対照表にまとめられます。

会社と同じように、個人の場合でもお金の調達方法は大きく3つにわけることができます。例えば、マンションの購入資金を調達する場合、一般にその資金を銀行から「借りる」か、両親から「もらう」か、会社で働いて「稼ぐ」かの3通りに分けられます。

例えば、両親がお金持ちの友人Aは、自分で稼いだお金を1円も使わずに、購入資金のほとんどを両親から「もうう」ことでマンションを買いました。友人Aの貸借対照表はこんな感じになります。

会計で言えば、自分で稼いだ分の1000万円と両親からもらった分の1億円も含めて「自己資本」とよびます。このように、Aさんは不動産の購入資金を全て自己資本で調達したことがこの貸借対照表から読み取れます。

一方、あまり家庭が裕福ではない友人Bは、マンションの購入資金のほとんどを銀行から「借りる」ことでまかないました。

繰り返しになりますが、他人から借りた分のことを「他人資本」といいます。借りたお金は返済する必要がありますので、Bさんはローンの返済期間に渡り、働いたお金から返済していくことになります。

また、外資系投資銀行に勤める友人Cは、自分で稼いだ分(自己資本)ですべての購入資金をまかないました。

このように、資金の使い道は全く同じでも、その資金をどうやって用意したのかは異なることがあります。
言い換えれば、資金の調達方法は資金の使い道に影響を与えません。

会社の場合も同様ですが、将来のパートナーを見つけたかなと思ったときには、その人が持っている「資産」だけではなく、「負債」やその人が(今だけでなく将来も)稼ぐ力があるかなど、定性的な情報も慎重に見極める必要があるかもしれません。

また、企業に対する「内部留保」への課税がニュースになります。
資金を何で調達したかと資金の運用形態は関係がないため、内部留保に課税されても手元に現金がないこともあり、納税ができないなんてこともあるため、「内部留保」への課税はたびたび、批判されます。

2-2. 貸借対照表とは—財政状態

ここからは財政状態について、いくつかの事例を確認しましょう。
「良い財政状態」と「悪い財政状態」の貸借対照表を比べる場合、その形はどう異なるでしょうか?

貸借対照表の右側に注目すれば、企業の財政状態を確認できます。
今回は財政状態を3つのタイプに分けました。順に確認しましょう。

タイプAの企業は資産の半分以上を自己資本でまかなっています。この場合、財政状態は「健全」といえそうです。

タイプBの企業は負債への依存度が高いため、このような会社の財政状態は「やや危険」な状態といえます。

タイプCの企業は負債が資産を上回り、「倒産寸前」の状態といえます。この状態は一般に「債務超過」といわれます。

この状態の企業は今すぐ全資産を売却したお金で債務の返済を行っても、すべての債務を返せない状態です。すぐに倒産するわけではありませんが、危険な状態です。(ただし、ビジネス環境、事業環境、営業キャッシュが安定し、償却がほとんど済み大きな投資も必要ないような場合または資産に含み益を抱えてる場合(つまり資産が小さく)、株主への配当を積極的に行っているような会社の場合(つまり剰余金のほとんどを配当済み)、債務超過になっていたとしても、資金繰りに困らないため倒産の危険がない場合もありえます)

さきほどの友人にあてはめてみましょう。
1億円のマンションを購入するのに、半分以上を自己資本でまかなった友人Aの財政状態は健全といえます。

そのほとんどを銀行からの借入れでまかなった友人Bの財政状態は「やや危険」といえます。

ローンの返済スピードよりも、不動産の価値の目減りの方が早い場合、気付かないうちに、「実質債務超過」なんてことも十分に有りえます。

2-3. 貸借対照表とは—構造

貸借対照表の右側だけに注目してきました。ここからはより詳細に貸借対照表の中の「構造」がどうなっているのかを確認します。

まずは、貸借対照表の左側の構造から確認しましょう。
「資産」は大きく3つに分かれます。

「資産」は決算日から数えて、将来お金に変わる時間の長さの順で並べられます。
短いものは上に、長いものは下に並べます。

現金化までの期間が1年以内、もしくは正常な営業の循環の範囲内であれば、1年を超えても「流動資産」に分類されます。

たとえば、八百屋にとって仕入れたりんごは「商品」です。商品は顧客にすぐに販売され、お金に変わるため「流動資産」に分類します。

1年を超えてお金に変わるような資産や配達用の車両のように、使用することを目的に保有する資産は「固定資産」に分類されます。

たとえば、八百屋の店舗を購入すれば「建物」、配達用の車両を購入すれば「車両運搬具」として、それぞれを「固定資産」として記録します。

ここで簡単な確認です。
不動産販売業者が販売する目的で保有するビルやマンションなどの建物、車販売業者が販売する目的で保有する車は、それぞれの企業の貸借対照表では「流動資産」、「固定資産」のどちらに記録されるでしょうか?

両者にとって、不動産や車両は販売用で所有する「商品」であり、それが正常な営業循環の内であれば、販売まで1年を超えるモノでも「流動資産」として記録します。

具体的に、不動産販売を行う「株式会社ゴールドクレスト」の貸借対照表をみてみると、販売用の不動産は流動資産にあることを確認できます。

なお、「仕掛販売用不動産」とは、建設中の不動産のことを指し、これから販売予定または販売がすでに決まっている建設中のマンションなどです。

繰延資産はその支出の効果が長期にわたるものを一旦資産に繰り延べ、徐々に費用に振り替えられるものです。

負債とは将来、お金を支払う義務(債務)のことです。負債は決算日から数えて、返済期日(支出予定日)が近い順に上から並べられます。

1年以内に返済期日をむかえる負債は「流動負債」に分類します。

たとえば、仕入取引において「ツケ払い」で購入した商品の支払債務である「買掛金」は流動負債です。

1年を超える長期で返済予定のものは「固定負債」に分類します。たとえば、返済期日が決算日から数えて1年を超える「長期借入金」は固定負債です。

純資産は資産から負債を差し引いた差額です。言い換えれば、企業の正味の財産です。会社の場合、これは株主のモノであるため「株主資本」ともよばれます。

純資産は投資家(株主)から投資してもらった「資本金」や過去の儲けの累積額である「利益剰余金」などで構成されます。

ここまでをざっくりとまとめます。
貸借対照表は「資産」、「負債」および「純資産」の3つで構成され、それぞれはさらに構造化されていました。

貸借対照表の右側は、「資金の調達源泉」、言い換えれば、どうやってお金を集めたのかを表し、左側は「資金の運用形態」、言い換えれば、何にお金を投資したのかを表すことを解説しました。

おわりに

すこし長くなってしまったので、今回はここまでです。
次は、財務諸表のうち、損益計算書について詳細に図で解説します。

これは次回出版予定の「【解説編】読まないで会計思考を身に付ける方法」のPart 01 会計の基礎知識の内容を一部修正しています。

この本では、会計の基礎知識にとどまらず、簿記3級を最速で合格するために必要な簿記の知識についても図解します。

近日中に、発売予定ですので、ぜひよろしくお願いいたします。

もし、この記事を気に入っていただけましたら、FacebookPageに「いいね!」、もしくはTwitterフォロー(@EUREKAPU_com)をよろしくお願いいたします。

新着エントリー


いつもありがとうございます!

もし、このWebを気に入って頂けたら
どうかFacebookページに「いいね!」を。
最新の更新をお届けにまいります。

これを「見て」もうわからないとは言わせません。

こちらから書籍の紹介ページに移動できます。

ABOUTこの記事をかいた人

アニメーションを使って会計・簿記をわかりやすくインプットするためのWebサービスを開発しています。まだまだ、ベータ版ですが、よろしくお願い致します。 We have been developing web services to have fun and input accounting and bookkeeping easily using animation, infographics and illustrations. Please contact me if you are interested.