【図解】所得税:所得控除とは何かをわかりやすく解説します

こんにちは、小松啓(@EUREKAPU_com)です(プロフィールはこちらからどうぞ)。

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この記事では、「所得控除」とは何かをざっくりと図を用いて解説します。

0. 所得控除とは~国税庁の資料

まず、国税庁のホームページに、その全容がありますが、国税庁のホームページでは、専門用語が多いので、最初はわかりにくいなと感じるかもしれません。

ぜひ原典は一度ざっと見ておくと、よいと思います。

すべての情報はここを参照して、集約&編集されて、世の中にでています。

国税庁のHPリンク(所得税法の条文へのリンクはサイトのレスポンスが悪かったので、加えていません)

1. 所得控除とは

所得控除とは、社会保険料や生命保険、扶養控除、医療費控除など確定申告をするひとであれば誰もが受けることができる控除です。

たまたま災害にあったり、家族の全員をひとりが支えていたりと、人によってまた年度によって税金を支払う余裕度は様々です。税負担に公平性が確保できるように、各種の控除が政策的に設けられています。

税金関連ではこの「公平性」がキーワードです。

ただし、その控除金額は、支払った金額の全額であったり、ある一定金額だったりと様々です。

これが大変困ったことに、公平性を確保することを目的にしているのか、毎年のように税制改正があります。

しかも、知っていないと損をするというものが多く、毎年のように制度変更によってどこかの控除額が変わるため、なんとも言えない気持ちになる制度です。

私が公認会計士ですので、ポジショントークになりますが、起業家など事業に集中したい方は専門家に個別に早めにご相談されることをお勧めします。

丁寧に教えてくれるだろうし(そうじゃない専門家には依頼しないほうがよいです)、こういう本業とは違う細かいことを考えるのって、精神的によくないです。

1-1. 所得控除は合計14種類の控除がある

所得控除には以下の14個の控除があります。

何らかの支出を伴ったり、損失が発生した場合に控除ができたり(物的控除)、支出はないものの、個人的な事情を配慮して控除ができたり(人的控除)します。

    • 物的控除(何らかの支出や損失が発生)
  1. 雑損控除
  2. 医療費控除
  3. 社会保険料控除
  4. 小規模企業共済等掛金控除
  5. 生命保険料控除
  6. 地震保険料控除
  7. 寄附金控除
    • 人的控除(支出はなかったが、個人的な事情に配慮)
  8. 障害者控除
  9. 寡婦(寡夫)控除
  10. 勤労学生控除
  11. 配偶者控除
  12. 配偶者特別控除
  13. 扶養控除
  14. 基礎控除

14個も種類があるので、最初はみるだけで、めまいがしそうになります。

実際私は、これを記事にするときに何度もめまいがしましたし、公認会計士試験を受験するために勉強していたときには、そもそも覚えてもいませんでした。

2. 各所得控除を受ける要件や対象者など

ここからは、それぞれがどんな控除の内容なのか、だれを対象とした控除なのか、控除金額などざっくり概要を図で確認します。

2-1. 雑損控除

雑損控除では、災害または盗難、もしくは横領によって、生活上の資産に損害があった場合にその損害額のうち一定金額を控除できます。

なお、事業用の資産(棚卸資産や事業用の建物など)についての損害は雑損控除の対象ではなく、事業の損失として計上することになります。生活に通常必要でない資産については雑損控除の対象外です。

2-1-1. 雑損控除できる金額

控除できる金額は次のうちいずれかの多い方です。

  1. 損失額から総所得金額の1/10を引いた金額
  2. 災害関連支出から5万円を引いた額
雑損控除の図解です

2-1-2. 雑損控除の原因となる事象

災害、害虫被害(スズメバチの巣の駆除費用など)、シロアリ退治、豪雪地で雪下ろしをした場合の費用も控除の対象になります。

なお、詐欺や恐喝による被害は対象外です。詐欺被害は自己責任ということのようです。

分量が多くなってしまったので、損害金額、災害関連支出とは何?設例も確認したいなどの、より詳細な解説はこちらからどうぞ↓
関連記事:「【図解】雑損控除(所得控除)をわかりやすく解説します

【図解】所得税:雑損控除(所得控除)をわかりやすく解説します

2018.04.27

2-2. 医療費控除

医療費控除では、その年の1年間に医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定金額を超える場合、その一定金額を控除できます。

2-2-1. 医療費控除の金額

控除できる額は、200万円を限度に、以下の通りです。

ポイントは、総所得金額が200万円未満の方は、年間10万円を超えていなくても、控除できることがある点です。

    (総所得金額が200万円以上の方)

  • 差引医療費(支払った医療費ー受取保険金)から10万円を引いた金額を超えた金額
  • (総所得金額が200万円未満の方)

  • 差引医療費(支払った医療費ー受取保険金)から所得金額の5%を超えた金額
医療費控除の図解です

対象となる医療費は実際に負担した金額だけ(ここでは差引医療費とよびます)であり、生命保険の入院給付金や健康保険の高額療養費出産育児一時金などを受け取った場合は、それらを医療費から差し引かなくてはなりません。

2-2-2. 医療費の範囲

医療費の範囲の図解です

悪いところを治療するという目的のものであれば、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、または柔道整復師などにかかった通院費用も医療費に含めることができます。

治療もしくは療養のためという医師の証明書をもらえば、温泉療養やスポーツ施設の利用料金も医療費に含めることができます。

子供の歯の矯正費用も医療費に含めることができます。大人になったら歯の調整は美容のためとみなされますが、子供の歯の矯正は健康のためと解釈されるためです。

ですので、大人の美容整形費用や疫病予防費用なども医療費の対処にはなりません。

より詳細な解説はこちらからどうぞ↓
関連記事:「【図解】医療費控除(所得控除)をわかりやすく解説します」※作成中

2-3. 社会保険料控除

社会保険料控除では、健康保険、厚生年金保険、国民年金などの社会保険料を支払った場合、その支払った金額の全額を控除できます。

平成26年4月から国民年金保険料の「2年前納」制度が始まりました。この前納した全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象としてかまいません。

このように、税金の支払い関連は「現金主義」であり、会計でいうところの「発生主義」ではありません。

言い換えれば、ある年の収入が厳しく、社会保険料を滞納してしまった場合であっても、その翌年に所得(儲け)が出たときに支払いさえすれば、支払いタイミングをずらすだけで節税ができてしまいます。おすすめはしませんが、「現金主義」だとこんなことができます。

【図解でわかる】収益認識と実現主義~そもそも発生主義と実現主義と現金主義の関係って?

2016.09.30

2-4. 小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除では、小規模企業共済や個人型の確定拠出年金、心身障害者扶養共済等に加入している場合、その支払った掛け金の全額を控除できます。

フリーランスにおすすめの節税対策として、倒産防止共済という制度があります。
それについての詳細は、「【図解】節税対策としての経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)※作成中」からどうぞ。

関連記事:「【図解】節税対策としての経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」※作成中

2-5. 生命保険料控除

生命保険料控除では、生命保険や民間の個人年金に加入している場合、その支払った金額のうち、一定金額を控除できます。

※詳細は作成中

2-6. 地震保険料控除

地震保険料控除では、地震、噴火の他、津波を原因とする火災・損害などによる損害を補う保険に加入している場合に、その支払った金額のうち、一定金額を控除できます。

地震保険料控除は支払った金額(最高5万円)が控除できます。

地震保険は比較的大きな控除になるにも関わらず、忘れがちな項目なので、これに加入している人は忘れずに、控除を受けましょう。

2-7. 寄附金控除

寄附金控除では、国や地方公共団体、認定NPO法人、学校などに寄附をした場合に一定金額を控除できます。

控除できる額は、寄附金額から2000円を引いた金額です。

控除の対象となる寄附は所得の40%までという制限があり、これを超えた額は控除できませんので、注意が必要です。

最近では、ふるさと納税もブームになっていました。かく言う私もいくつかの自治体へ寄附を行いました。

ちなみに、漢字は「寄附」であり、「寄付」ではありません。

2-8. 障害者控除

障害者控除では、自分自身や扶養している家族が所得税法上の障害者に当てはまる場合に、一定金額を控除できます。

障害をお持ちの方は、車いすが必要だったり、各種活動をサポートする機材などを購入する必要があり、その障害の程度に応じて控除金額が定められています。

控除額は障害者が27万円特別障害者が40万円同居特別障害者が75万円です。

障害者控除の図解です

2-9. 寡婦(寡夫)控除

自己が一般の寡婦(寡夫)である場合に、一定金額を控除できます。

聞きなれない言葉ですが、「寡婦(寡夫)」とは何かをざっくりいえば、配偶者(夫や妻のこと)と死別もしくは離婚した人で、扶養している親族や子供がいる人のことです。

2-9-1. 一般の寡婦とその控除額

ここでいう一般の寡婦とは以下のいずれかに当てはまる人で、その控除額は27万円です。

  • 夫と死別し、もしくは離婚した後、婚姻をしていない女性で、扶養している親族がいる人
  • 夫と死別した後、婚姻をしていない女性で、合計所得金額が500万円以下の人。この場合は、扶養親族などの要件はありません。

2-9-2. 特別の寡婦とその控除額

一般の寡婦であり、次の全てを満たすときは、特別の寡婦に該当し、その控除額は35万円です。

  • 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
  • 扶養親族である子がいる人
  • 合計所得金額が500万円以下であること。

2-9-3. 寡夫とその控除額

ここでいう寡夫とは以下のすべてに当てはまる人で、その控除額は27万円です。

  • 合計所得金額が500万円以下であること
  • 妻と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていないこと又は妻の生死が明らかでない一定の人であること
  • 生計を一にする子がいること。※この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
寡婦控除と寡夫控除では若干寡夫控除の方が条件が厳しいようです。

女性の方が配偶者と別れた後の生活が厳しいからという現実的な配慮だと考えられます。

2-10. 勤労学生控除

勤労学生控除では、中学、高校、大学もしくは指定された専門学校に通う人で、勤労しているひとが一定金額を控除できます。

受け取っている給料が年間130万円以下という制限があり、言い換えれば、給与所得が65万円以下ということです。

控除額は27万円です。

この控除を受ければ、働きながら学校に通っているひとは、所得税負担はゼロになります。

勤労学生控除の図解です

2-11. 配偶者控除

給与収入が103万円以下(言い換えれば、給与所得金額が38万円以下)の配偶者がいる人が受けられます。

※ 平成30年分以後(2018年1月以降)は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

控除額は次の2通りです。

  • 一般の場合は38万円
  • 控除対象の配偶者が七十歳以上の場合は48万円

なお、配偶者が障害者の場合には、配偶者控除に加えて、障害者控除(障害者の場合は27万円、特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できます。

以下は再掲です。
障害者控除の図解です

2-12. 配偶者特別控除

配偶者の収入が103万円以上あって配偶者控除を受けられなくても配偶者の収入が141万円未満であれば受けられる控除です。

控除額は配偶者の収入によって段階的になっており3万円から38万円までの幅があります。

このあたりの詳細は別記事でご紹介します。

関連記事:「【図解】配偶者控除と配偶者特別控除(所得控除)をわかりやすく解説します」※作成中

2-13. 扶養控除

扶養している家族・親族がいる人が受けられる控除です。

扶養親族一人当たり38万円控除できます。また、19歳以上23歳未満の扶養親族の場合63万円、70歳以上の扶養親族の場合では48万円、70歳以上の同居老親等で58万円です。

扶養の対象になる親族は6親等以内の血族か三親等以内の姻族です。

平成23年から子供の扶養控除が廃止になりました。

また16歳から18歳までの子どもに適用されてきた特定扶養控除は廃止されました。

子供に関する手当が導入されたことで扶養控除の見直しが行われていますので、最新の情報を確認するようにしましょう。

この辺りは詳細に、103万円のカベとか色んなカベがあるので、別に記事を作成します。
関連記事:「【図解】所得税・扶養控除の100万円、103万円、106万円、130万円、150万円の壁をわかりやすく解説」※作成中

2-14. 基礎控除

確定申告をする人であれば誰でも受けられる控除であり、その控除額は38万円です。

3. まとめにかえて

めまいがした方も多いと思います。

現時点でまだまだ図解は不足していますので、順次更新していきます。

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