前半の5パターンの続きです。
6:資産の減少と負債の減少
例えば、資産が減少し、負債が減少する取引は、借りたお金を期日に返済する場合が当てはまります。
会社にあったお金という資産が減少し、借りたお金と数えていた負債を減少させます。負債を消滅させるために資産で打ち消すイメージです。
7:負債の増加と費用の発生
例えば、負債が減少し、費用が発生する取引は、将来の費用または損失に備えて計上する引当金を計上する場合が当てはまります。
退職給付引当金、貸倒引当金や賞与引当金という負債を増加させ、将来の費用または損失の原因が発生している各会計期間に費用を発生させるイメージです。
この積み上げられた引当金である負債は、将来的に費用または損失が発生した場合に、取り崩され、資産の減少と相殺されます(No.6の資産の減少と負債の減少がおきます)
8:負債の増加と負債の減少
例えば、負債が増加し、かつ負債が減少する取引は、買掛金の支払いに約束手形(返済を約束した証書)を振り出す場合や、長期借入金を短期借入金に振り返る場合が当てはまります。
負債が他の性質の異なる負債に入れ替わるイメージです。
9:負債の減少と収益の発生
例えば、将来の費用または損失に備えて負債に計上した引当金が、その費用または損失が発生しなくなり、収益として取り崩した場合が当てはまります。
過去に費用として計上した引当金の取り崩しは、費用をマイナスするのではなく、収益のプラスとして数えます。
10:資産の減少と純資産の減少
例えば、儲けを株主へ配当する場合が当てはまります。
1年間の儲けから配当することができるため、お金という資産が減少し、純資産のうち配当可能である儲けである利益が減少します。