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24個の取引を使って、財務諸表を紐解く- 商品掛け売上
https://app.eurekapu.com/lessons/financial-statements/no10-sell-goods-AR
商品であるりんごを掛けで販売する取引をみてみましょう。
商品を販売(掛け販売)
200万円で仕入れた商品を600万円で顧客へ販売し、代金は月末に受け取ることにした(三分法ではなく、売上原価対立法を採用)
取引概要
掛けで商品を販売する取引は、商品の販売代金を後日、受け取る約束を結び、商品を販売する取引です。
後日販売代金を受け取る権利のことを売掛金とよび、これは資産です。
販売によって減少した商品は資産の減少であり、顧客へ引き渡した商品は売上原価という費用の発生を意味します。
Step1:仕訳
取引内容を簿記のルールに従って仕訳に変換すれば、将来お金に換わる権利である資産の増加として左側に「売掛金600」、収益の発生として右側に「売上高600」と記録できます。
また、販売した商品は、資産の減少として右側に「商品200」、費用の発生として左側に「売上原価200」と記録できます。
Step2:勘定科目ごとにその勘定に集計
売上高勘定、売掛金勘定、売上原価勘定と商品勘定に、それぞれ仕訳内容を記録します。
Step3:勘定残高から残高試算表(T/B)を作成
残高試算表へその科目ごとの残高を記録します。勘定に集まった金額を集計し、その残高をT/Bに書き写すだけです。
Step4:三表の作成
T/BをB/SとP/Lに分解します。そして、キャッシュフロー計算書(C/S)を作成します。
P/Lの税引前当期純利益には売上高と売上原価の影響が加味されていますが、実際には掛けで仕入れ、掛けで販売しているため、この掛け取引分だけキャッシュの移動はまだありません。
ですので、間接法では発生主義で計上した売掛金と買掛金の残高を調整する必要があります。
上記の取引内容が財務3表に与える影響だけを抜き出すと以下のようになります。
間接法CSは税引前当期純利益から始まっています。現金の出入りはないにもかかわらず、発生主義によって損益計算書に記録された売上高と売上原価の影響を調整する必要があります。言い換えれば、売掛債権と棚卸資産の増減を調整してあげれば、発生主義から現金主義に調整できることができます。
まとめ
- 販売に伴い資産に計上していた商品を費用へ振り替え、掛けによる資産の増加分を収益の発生と記録しました。
- C/Sの間接法においては、発生主義で計上した分を税引前当期純利益から逆算して算出しました。