この記事をよりパワーアップさせたものが以下のリンク先にあります。もしよければどうぞ。
24個の取引を使って、財務諸表を紐解く- 翌期 – 配当金の支払い
https://app.eurekapu.com/lessons/financial-statements/no25-payment-dividends
24.剰余金の配当・処分
第1期定時株主総会において、繰越利益剰余金を次の通り、配当および処分することが承認された
・株主配当100万円 ・利益準備金10万円 ・別途積立金50万円
剰余金の配当と処分についてみてみましょう
取引概要
会社の事業年度末が3月末の場合、一般的に株主総会は6月末付近に開かれることが多いです。
その場で前年、つまり1年目の決算に基づく剰余金の処分が株主によって承認されます。
今回は「配当金100万円、利益準備金10万円、別途積立金50万円」が決議されました。
配当金は株主に対する投資の見返りとして会社が受け渡すものです。
今回の配当金で当初100万の投資を行った株主は、とりあえず全額回収できたことになり、一安心です。
また、今後も会社が成長すれば、株式の価値が高まるため、より会社に期待をもつことになるでしょう。
利益準備金についてはこちらで(作成中…)詳細はお話ししますが、今回は配当金の10分の1を利益準備金として積み立てなくてはなりません。
別途積立金などの任意積立金についてもこちらで(作成中…)詳細はお話ししますが、別途積立金は特にその使途を明確にしない積立金です。
今回は、配当を決議しただけで、まだ配当を株主には支払っていませんので、未払配当金として負債に記録します。
7月にはいって、実際に配当を支払うと未払配当金が消滅し、預金口座を減少させます。
Step1:仕訳
負債の増加として右側に「未払配当金100」、純資産の増加として「利益準備金10」と「別途積立金50」、配当・処分した利益剰余金は純資産の減少として左側に「繰越利益常勤160」と記録します。
Step2:勘定科目ごとにその勘定に集計
未払配当金勘定、利益準備金勘定、別途積立金勘定と繰越利益剰余金勘定にそれぞれ仕訳内容を記録します。
Step3:勘定残高から残高試算表(T/B)を作成
残高試算表へその科目ごとの残高を記録します。勘定に集まった金額を集計し、その残高をT/Bに書き写すだけです。
Step4:三表の作成
T/BをB/SとP/Lに分解します。そして、キャッシュフロー計算書(C/S)を作成します。
決議だけではキャッシュフローに動きはありませんので、C/Sは調整ありません。
実際の支払い日に、未払配当金が取り崩され、預金口座から支払われます。
配当金の支払いは財務キャッシュフローとして記録します。設立の時の出資金も財務キャッシュフローにしたのと同じです(「No:01 会社の設立」)。
アニメーション(動く図解)で確認しましょう
まとめ
・C/Sでは、実際の支払い時に財務キャッシュフローを調整します。
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