こんにちは、Eurekapu.comを運営している公認会計士の小松啓です(プロフィールはこちらからどうぞ)。Twitterフォロー大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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日商簿記検定試験3級の合格に必要な勉強時間は概ね50時間から100時間といわれています。50時間から100時間なら、1ヶ月程度でスケジュールを組むのが理想的ではないでしょうか。
1か月であれば、長すぎず短すぎない、ちょどよい期間だと思います。
では、日商簿記検定試験3級を1か月で合格するにはどのタイミングで、何を使って、どう対策すればいいのか、これについて本記事がご提案します。
なお、日商簿記検定試験3級の合格率などについては、こちら「【 まとめ】独学で合格!簿記3級の合格率とおすすめ勉強方法」の記事で分析をしていますので、よろしければこちらも参考にしてみてください。
1. 簿記3級を1か月で合格するために、試験日の何日前から始めればよいのか?
すでに触れましたが、1ヶ月くらいがちょうどよい長さだと思います。
- 平日:毎日1時間
- 休日:3~4時間/1日あたり
毎日勉強時間を確保しましょう!1か月のうち、平日は20日あるので合計20時間になります。スポーツと同じで、1日休むと3日遅れをとる(気がする)でしょう。継続は力なりです。脳に適度な負荷を掛けて、簿記に脳を慣れさせましょう。
1か月のうち、休日は合計8日あるので、3時間から4時間程度まとめてとれば、24時間から32時間確保できます。これで合計44時間から52時間になります。
「【 まとめ】独学で合格!簿記3級の合格率とおすすめ勉強方法」の記事で詳細を触れていますが、申し込みをしたにも関わらず(!!!)、試験にすらいかないで途中で脱落してしまう人(つまり未受験者)が5人に1人もいます。
継続は力なりであり、継続することが難しいのです。
2. 簿記3級を1か月で合格するために、いつ何をすればいいのか?
1か月を何も考えないで、やってもいい成果はでないでしょう。
この50時間の配分が大切です。
簿記は何と言っても「仕訳」が命です。
取引を仕訳に変換できたあとは単に数字を勘定に転記していったり、足したり引いたりするだけです(掛け算すら使いません)。
ですので、各取引における仕訳のイメージが大体つけられればあとは問題の形式になれるだけです。
つまるところ簿記の検定試験は「日本語」の試験なのです。
全体50時間の配分のイメージはこんな感じです。
- 最初のフェーズ(10時間程度)は、インプットにあてましょう。もちろん、その都度確認のための演習問題も含まれます。
- 次のフェーズ(20時間程度)は総合問題を解く時間にあてましょう。問題の形式が5つあります。それぞれの傾向と対策のイメージがつかめればOKです。
- 最後のフェーズ( 20時間程度)は過去問対策をしましょう。ここでの時間でインプットの漏れが確認できます。
各フェーズでの注意点などは以下の通りです。
2-1. フェーズ①(インプットフェーズ(10時間程度)) ~残り総勉強時間50時間程度
自信をもっておすすめする自著
「
【日商簿記3級編】読まないで会計思考を身につける方法
」をまずざっと見てください。
図を豊富すぎるくらいに使って解説した自著をだまされたとおもってまずはざっと読みすすめてください。
1回転させた時間の3分の1の時間でさらにもう1回転させる(2回転目)。
2-2. フェーズ②(アウトプットフェーズ(20時間程度)) ~残り総勉強時間40時間程度
- 市販テキストの巻末の総合問題をまず1回転させる。間違ったところにはチェック(わかりやすく問題をまるで囲む)をし、なぜ間違ったのかを考える。
間違う場合、その理由はそもそも知らなかった、
知っていたけど思い出せなかった、
思い出せたけど計算を間違えた、
計算はあっていたけどなんらかの凡ミスをした、という風に大きく4つにわけられるので、間違った理由に応じて次の対応を取りましょう。
- そもそも知らなかった論点だった場合
- 知っていたけど思い出せなかった論点の場合
- 思い出せたけど計算ミスした場合
- 計算はあっていたけどなんらかの凡ミスをした場合
そんなことはないはずだ。テキストの巻末問題であれば、知らない問題がでることはまずないはずなので、②にいこう
なぜ思い出せなかったのか、そもそも覚えていたことはなんだったのかを再度確認しよう。
間違ったところを「簿記検定3級対策(準備中です)」 またはテキストでチェックしよう
下書き用紙などに計算の過程をしっかりかこう。
暗算は危険だ。
計算過程を残すことはそもそも簿記がなぜ数百年も前から存在し、商人にとってなくてはならないものになったのかに思いを巡らせてみてほしい(つまりこれはとっても重要だ)
実は簿記検定は凡ミスが原因で不合格になることが多い。
理由は、70点とっていれば合格できる試験だからだ。
みんなが正解までたどり着いた問題を間違えば、一気に合格から遠ざかるだろう。
逆に、みんなが間違った問題では差がつかない。
自分がやってしまう凡ミスの傾向(クセ)を本番までにつかんでおくことはとても大事なことだ
2-3. フェーズ③(仕上げ段階) ~残り総勉強時間20時間程度
- もう一度、市販の総合問題の間違ったところだけ解こう。それでも間違ってしまったら、上記の4つをチェックしよう
- 過去問対策をしよう。本試験形式の総合問題でもよい。これらは過去問の傾向を踏まえ、専門学校の先生方が練にねった問題構成のはずだからだ。
2-4. 試験当日(これが最も大切だ!)
- 試験会場に必ず時間通りにいきましょう!前述したように、世の中の2割の人は申し込んでも会場に行っていないのです。
万が一、良い準備ができなかったとしても、それでも当日は会場に行くことをおすすめします。
みずからチャンスを放棄する必要はまったくないでしょう。
結果は後からついてくるので、どんなときも自分を信じて最後まで決して諦めないことは精神衛生上も良い事だと思います。
3. 簿記3級をどうしても1週間で合格するにはいつ何をどう対策すればよいか
どうしても1週間しかない場合でも、50時間の勉強時間を確保しよう。
さらに、わからないときにすぐに質問できる信頼できる友人を確保しよう。
この2点さえあれば、1週間でも十分に合格は可能です。
仮に、1週間しか時間がないが読者の方が大学生だった場合は、1日7時間程度やれば合格できる可能性があります。
ただし、そばに疑問点を聞けるひとがいない場合はおすすめできません。
この7時間には疑問点を解消時間が含まれていないからです。
一般に、別の分野や他の既知の知識と結び付けられたりするときに人はわかったと感じることが多いのではないでしょうか。
なので、1週間ずっとぶっ続けて50時間、簿記のテキストや過去問ばかりやっていても、吸収できるスピードは1ヶ月じっくり50時間やった人にはかなわないでしょう。
1ヶ月かけてやったひとは、勉強していない時間にも無意識に他の情報と簿記で学習した情報を結びつけているからです。
まとめ
私自身、簿記3級を受験したとき、試験時間内にすべて解き終わりませんでしたし、内容を理解していたかどうかかなり怪しいです。
なぜそういう感想をもったかといえば、簿記の学習において全体像を把握することが簡単ではないからです。
初期の段階で全体像を把握するには、絵や図で視覚的に学習することをお勧めします。
数多く市販の会計・簿記本がある中で、公認会計士でもある私がわざわざ「【日商簿記3級編】読まないで会計思考を身につける方法」を1から作ったのは、初期の段階で全体像を把握できるような会計・簿記本がないからです。
効率的にインプットしたいなら、自信をもっておすすめする自著をざっとまずは見るべし!ということです。
だまされたと思って一読してみてください。絶対に後悔させません。
感想などTwitterなどでDMいただければ、大変うれしいです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!